とあるEK9乗りの、シビックRS乗り換え物語 1,これ以外に乗ることはないと思っていた(EK9)
※今回はEK9ばっかです。RSは全く出ないので、そちらを期待した人は閉じちゃってください。
今回は乗り換える気が全くなかったころ、ひょんなことから購入に至ったEK9が、ネオレトロに足を突っ込んで少しずつ別れが忍び寄るあたりまでの話です(いつになったらRSが出てくることやら)。
さて。
純白のアルミホイールと赤いホンダエンブレム。これを備える車が私のタイプRです(つまり今のタイプRは違うもの)。
チャンピオンシップホワイトの車体もそうなんですが、2000年初頭までのタイプRは車体色にチャンピオンシップホワイトを選ぶと真っ白な車でした。
今見ても本当に美しい。初代NSX-Rを見た時の衝撃は忘れません。
そして初代インテR。まさか庶民に手が届く価格帯のタイプRが出るとは。
そして、父親が過去乗りついでいたシビックにもタイプRが出ました。ため息しか出ないスタイルに恋焦がれ、当時何度も何度もガンさんが鷹栖を攻めるベスモのビデオを見ていました。
CIVIC-R EK9 ガンさんが燃えた!! GAN-san SERIOUS ATTACK!!【Best MOTORing】1997
このビデオの走りはアマチュアドライバーのEK9ドライビングのお手本です。ヘビーレインの運転なのでアクセルワークとステアリング操作がわかりやすく(とはいえ、とんでもないペースで走っていますが)高い回転数に張り付いたB16Bのパワーとともに、鷹栖のような公道に近い「荒れ道」で車を前に前にと進めていきます。なんと美しい運転か。
しかし当時はとある技術職の修行中の身。車こそ買ってもらったものの、薄給は道具代と消えていました。その後、とある縁で上京して色々あって手に入れた・・・というくだりは前のエントリに譲りますが、それほど惚れ込んで買った一台だったのです。
購入後いろんな所を走りましたが、特筆すべきは懐の深い足回りでした。固いのですが、ロングホイールベースと軽量ボディが生み出す安定性はどんなシチュエーションでも安心して突っ込めるし、リカバリーも容易。EK9は旋回性能命の車で、これを生かせるシチュエーションなら本当に速い(それ以外はむしろ・・・)。
ただしそれを支えるB16Bはスイートスポットが非常に狭く、細い低速トルクを手繰り寄せながら8000回転に向けてアクセルを踏み込んでいく必要がありました。それを実現するために車と対話し、ステアリングやペダル、シフトを連動させて動かしていく。踏力に非常にリニアなブレーキと、タイヤのグリップ状態を的確に伝える重めのステアリング、手のひらにすっぽり収まるチタンシフトノブとレカロシートのホールド性がそれを支えてくれます。
なにより、高回転で切り替わるVTECのカムの音。絶対的な速さではない「官能性能」がそこにありました。本当に楽しく、感情に訴えかける車です。今でも私的には、世界中の車の中でこの車がナンバーワンです。白で統一された外観と、燃えるような赤をあしらったインテリアは、許されるのならば再び大規模修繕をして大事に乗っていたことでしょう。
しかし、形あるもの、使われる「道具」は消耗します。ハードな利用が殆ど無い愛車にも、経年劣化という魔物が侵食していきます。購入当時の驚くようなボディの剛性感も、しゃっきりとした足回りも、ぴかぴかだったエンジンルームも見る影もなく劣化が進みました。
何より、助手席にも問題が少しずつ忍び寄る。家族を乗せる車で、これは致命的でした。そして私自身も、身体が少しずつこの車の硬さに悲鳴を上げ始めていました。いろんな意味で、カウントダウンが始まっていたのです。
とはいえ、潜在的な問題が見えつつあってもこのころは年一回のオイル交換と車検整備だけで問題はありませんでした。ずっと屋根下保管だったとはいえ、非常に手のかからない子でした。
そんな折、2014年に一つの転機がありました。一時消滅していたタイプRが「シビック TYPE Rコンセプト」として発表された一台でした。
続く。→こちら
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